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祖国を捨てた日本人

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年余りのスイス滞在期間中、寄宿学校の生徒さん以外に数人の日本人に出会いました。いずれも、長期休暇中にチューリヒ郊外のホストファミリー宅で過ごしているときに知り合った人たちです。ホストファミリーの奥さんは郵便局で働いていて、その職場の同僚のひとりに、ある日本人男性がいました。たぶん、その当時40代半ばぐらいだったと思います。

チューリヒの風景

この人の経歴はちょっと変わっていて、東大在学中にある会合に参加したのがきっかけで、突如退学してスウェーデンへの留学を決めたそうです。

その後、スウェーデンに渡って大学を卒業し、10年以上現地で暮らした後、知り合ったスイス人女性と結婚したのが縁でスイスへ移住してきたとか。驚いたことに、最初の渡欧以来、日本へ一時帰国することは一度もなかったらしいです。

この人は、40代の一般的な日本人男性とは見た目も考え方も明らかに違っておりました。確か、髪が長くて後ろで束ねてたんじゃないかな・・・?東大時代に何があったのかわかりませんが、日本という国がいやになって脱出してきたらしいのです。

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社会的な地位や名誉に対する野心は全くなく、自然や文化を愛して人間らしい暮らしを求めておられるようでした。気さくで親切な方で、今でも笑顔が思い浮かんできそうです。

あるとき、週末にチューリヒのフリーマーケットに連れていってもらうことになりました。ふたりで掘り出し物を探しながら歩き回っていると、偶然、中古テープの販売コーナーで歌手の森昌子さんのヒット曲集を見つけました。

「あ、これ森昌子だって」何気なくテープを指差すと、彼は、「え・・・誰?それ」 な、なんと、森昌子という歌手の名前をきいたことがないというではありませんか。

そこで改めて、彼が日本を出てからの年月の流れを感じました。ついでに、最近の日本の首相や政治家についてきいてみると、興味がないのでまったく知らないとのことでした。

この男性は、もう二度と日本に戻るつもりはない、と話しておられたので、日本事情を知らなくても問題はないのかもしれません。自らの意思で外国に移って現地の言葉や習慣になじみ、充実した生活を送っておられる姿はうらやましくもありました。

でも、同じ日本人として、事実上“祖国を捨てた”ような生き方に一抹の寂しさを覚えてしまったのです。彼のような人の存在は、自分にもっとも居心地のいい場所が生まれ育った国とは限らない、ということを表しているのでしょうか。

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